駄文書きの屋根裏部屋

ネット駄文書きの備忘録です。ネット小説や出版作品について、あれこれと語ります。

自作を酷評する〜『愛のモノリス』

作品紹介

今回紹介させていただくのは、『愛のモノリス』というSF作品だ。他人の記憶のなかに入って行動することができる超能力者の話。主人公サイドは他人の記憶をポジティブに発掘しようとするが、ライバルサイドはネガティブに消去しようとする。どちらも高校生が主役で、ある意味では青春群像劇だ。メインになるのは、月から来たと自称する少女の記憶。彼女は宇宙人なのか、それとも……というストーリー。

自評

夢から始まる物語は苦労する?

これは執筆後、相当経ってから気づいたのだが、文芸誌『群像』のなかで、夢から始める物語は苦労する、という記事があった。なるほど、それで私は苦労したのかな、とそのとき初めて思った次第である。なぜ夢から始めるストーリーは苦労するのか、その理由は判然としない。もしかすると、読者にリアリティを持たせるのが難しいからかもしれない。まずは現実世界を丹念に描き出す努力が必要なのだろう。だとすれば、いくら設定上の要請があったからとは言え、他人の記憶=思い出から始めるのはマズかったようだ。

主人公サイドよりもライバルサイドのほうが魅力的?

これは、私のミスだと思う。主人公の神楽という少女よりも、ライバルのルナという少女のほうが、なぜか魅力的に描かれてしまっている。このことは、ルナを再登場させた物語『冬過ぎて、春来るらし』からも明らかである。この作品のなかで、神楽よりもルナの登場回数のほうが多い。なるほど、白状すると、烏丸ルナは、私の書いたキャラのなかでも、とりわけお気に入りである。そのことがヒロインの軸を大幅にぶらしてしまい、主人公サイドに感情移入させにくくなっている可能性はある。

このような依怙贔屓がいいのかどうか、という根本的な問題もあろう。しかし、ここ数年書いて来た実感として、キャラのあいだにどうしても筆の偏りが生じてしまう。その偏りをメインの作品ではなるべく減らすため、ネットに書き散らしているという側面もある。つまり、私のネット小説は、スター発見の場でもある。そのとき、サイドキャラをおざなりにしないようには努めている。このあたりの配慮は、『こちら、駒桜高校将棋部』と『こちら、駒桜高校将棋部〜Outsiders』との関係に現れていると思う。前者のサブキャラを救い上げているのが、後者だからだ。

まとめ

本作は、PVだけみると、前2作より不評な作品であったと思う。その理由は、既に上で書いた。とりわけ、夢から始めた分かりにくさ、というものがあったかもしれない。とはいえ、登場人物が多過ぎないという、拙作のなかではひとつの欠点を克服できた作品でもある。もっとSFを勉強して、よりよくブラッシュアップしていきたい。